【ミドルシニア世代の智慧】

第28話【ミドルシニア世代の智慧】
『共感と傾聴で職場の人間関係を改善』
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部下の本音を引き出す実践技術
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いつもお読みいただき有難うございます。
経営戦略コンサルタント
組織変革コンサルタント
の渡邉ひとしです。
部下の報告を聞きながら
頭の中で解決策を組み立てていませんか。
「それは違う」
と話の途中で遮っていませんか。
このような行動が
部下との信頼関係を破壊しています。
解決策は明確です。
共感と傾聴を感覚ではなく
技術として習得します。
これらは再現可能なスキルであり
練習次第で誰でも身につけられます。
なぜ有効なのか。
部下が求めているのは
即座の解決策ではなく
理解されている実感だからです。
この土台なくして
どんな指導も空振りに終わります。
今回は経験豊富な管理職が陥る
傾聴の罠を明らかにします。
さらに
共感と傾聴を実務で活用する
具体的手法を提示します。
*写真はイメージです
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経験が傾聴を阻害する3つの構造的要因
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キャリアを積むほど部下の話を
聴けなくなる現象があります。
これは性格の問題ではありません。
経験が作り出す構造的な問題です。
第一に
評価フィルターの存在です。
部下の発言を聞いた瞬間
過去の経験と照合し始めます。
「この問題は以前も起きた」と分類し
話の全体像を把握する前に
結論を出してしまいます。
第二に
時間効率の呪縛です。
管理職は常に時間に追われています。
部下の話を最後まで聞くより
早く解決策を提示する方が
効率的だと考えます。
しかし
この効率化が部下の当事者意識を奪い
結果的に非効率を生みます。
第三に
正解主義の罠です。
豊富な経験から
正しい答えを知っていると
確信しています。
部下の試行錯誤を無駄だと判断し
最短ルートを指示します。
これが
部下の成長機会を奪い
指示待ち人間を量産します。
これらの要因を自覚し
意図的に抑制する必要があります。
傾聴は
自然にできるものではありません。
訓練が必要な高度な技術です。
営業課長のKさんは
若手営業のMさんから
「顧客が価格に難色を示している」
と相談を受けました。
Kさんは話を聞き始めて30秒で
「価格交渉のコツは……」
と自身の経験談を語り始めました。
過去の成功事例を
15分かけて熱弁しました。
Mさんが本当に伝えたかったのは
「顧客が求めているのは
価格ではなく導入後のサポート体制」
という事実でした。
しかし Kさんは最後まで
その核心に辿り着きませんでした。
その結果
Mさんは独自判断で動き
顧客は競合他社と契約しました。
「なぜ報告しなかったんだ」
とKさんは憤りましたが
話を聞いてもらえないため
Mさんは退職届を提出しました。
Kさんの経験が貴重な情報と
人材の両方を失わせたのです。
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共感と傾聴を実装する4つの実践技術
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共感と傾聴を
精神論で終わらせてはいけません。
4つの技術として実装します。
第一は
感情の命名です。
部下の発言から
感情を読み取り言語化します。
「困っているんだね」
「不安なんだね」
と感情に名前を付けます。
これにより部下は
理解されていると感じ
さらに深い情報を開示します。
第二は
オープンクエスチョンの活用です。
なぜ?と聞くのは
詰問になりがちです。
代わりに
「どんな状況?」
「何が起きている?」
と事実を引き出す質問をします。
部下が自ら状況を整理し
解決策を見つける機会を作ります。
第三は
要約と確認です。
部下の話を30秒ごとに要約し
認識のズレを修正します。
「つまり……ということ?」
と確認して誤解を防ぎます。
この作業が面倒に思えても
後の手戻りを考えれば効率的です。
第四は
3秒の沈黙です。
部下の発言後に3秒待ちます。
この沈黙が
部下に考える時間を与えます。
多くの管理職はこの3秒が待てません。
しかし
この3秒が部下の主体性を育てる
貴重な時間となります。
開発部長のTさんは
エンジニアYさんから
「仕様変更が多すぎる」
と不満を聞きました。
まずTさんは
「負担を感じているんだね」
と感情を命名しました。(第一の技術)
次に
「具体的にどんな影響が出ている?」
と質問しました。(第二の技術)
Yさんは
「テストケースの作り直しで
本来の開発が進まない」
と説明しました。
Tさんは
「テストの手戻りが
開発を圧迫しているということ?」
と要約しました。(第三の技術)
そして
3秒待ちました。(第四の技術)
するとYさんは
「テスト自動化ツールを導入すれば
解決できるかもしれません」
と提案を始めました。
Tさんは
最後まで解決策を押し付けず
Yさんの提案を
支援する形で進めました。
その結果
チーム全体の生産性が30%向上しました。
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今日のまとめ
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共感と傾聴は
職場の人間関係を改善する
基盤技術です。
経験豊富な管理職ほど
この基本を軽視しがちです。
重要なのは経験が作る3つの罠
・評価フィルター
・時間効率の呪縛
・正解主義
を自覚する心構えです。
そして4つの実践技術
・感情の命名
・オープンクエスチョン
・要約と確認
・3秒の沈黙
を意識的に使う取り組みです。
部下は解決策ではなく
理解を求めています。
この前提を忘れた指導は
どれだけ正しくても機能しません。
傾聴は
待つという意味ではありません。
積極的に相手を理解する技術です。
明日から
まず3秒の沈黙を実践してください。
その3秒が
職場の空気を変える第一歩となります。
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*次回発行は
10月29日水曜日の予定です。
次回は「マーケティング」がテーマの
第29話『ミドルシニアが陥りやすい
マーケティングの落とし穴』
次回もどうぞ宜しくお願いいたします。
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岐阜県公認 /コミュニティ診断士
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<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
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<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』 (2019年)
『我が師と人生の軌跡(仮)』(2026年)
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